+(プラス)1を意識してアートする

7月の西日本豪雨は、堤防が決壊し辺り一面見渡す限り水に浸かり、
山が崩壊し土砂によって家々が押しつぶされ、岡山、広島、愛媛を中心に多大な被害をもたらしました。

多くの人がニュースの映像等でその悲惨な状況を知り、心を痛めたと思います。

そして多くの人が何らかの支援をしたいと考え、実際に大勢がボランティアとして現地へ駆けつけました。

私も今回何度か現地へ足を運び、復興支援に携わりました。

東北大震災もそうですが、ボランティアの多くは被害に遭った人々の何らかのお手伝いがしたいとの思いからだと思います。

もちろんそこにはやりがいを感じたり、(誰かの)役に立つという実感を得たりするためでもあるのでしょうが、
今回私自身が実際に携わり、日本人の根底には
「困った時にはお互いさま」
という精神があることを感じました。

それと同時に改めて性善説を信じるようになりました。

さて話しが変わりますが、
最近海洋汚染(海のゴミ問題)がニュースで頻繁に取り上げられるようになっています。

私も時々近くの海岸を訪れますが、風の強かった日の後の砂浜はゴミだらけとなっていたりします。

有名な海水浴場などは訪れる人のために、きっと毎朝清掃され、そのようなものは無いようにされるのでしょうが、
そうでないところは必ずと言ってよいほどペットボトルなどのゴミが散乱しています。

私が目にするのはわりと大きなプラスチック類ですが、近ごろ特に問題視されているのがマイクロプラスチックです。

これは海に漂う5ミリ以下のプラスチックで、
海に捨てられたレジ袋などが紫外線や波の影響を受け劣化し、バラバラとなり海に漂っているもののことです。

日本の周辺の海にはこのマイクロプラスチックごみが世界の海の平均よりも20~30倍、その数(密度)は多いという調査結果もあるようです。

海洋プラスチックゴミの問題は日本の海だけでなく、世界の海で大きな問題となっています。

浜辺に打ち上げられた赤ちゃんクジラの胃の中を調べたところ、
ミルクしか飲まない赤ちゃんクジラの中からナイロン袋が出てきたそうです。

小魚を始め様々な海洋生物の体内からマイクロプラスチックが見つかっていますし、
プラスチックが原因で死に至ることも多いようです。

更に今では深海までプラスチックごみがあふれている状況で、
その影響がどのようなものとなるのかまだ誰にも分かりません。

その為各国で規制する動きが始まっているのですが、
先日(2017年7月)開催されたG7首脳会談でもこの問題が取り出され、
使い捨てプラスチック製品の削減に取り組むことなどを含んだ憲章出されたのですが、
米国と日本の2ヶ国はこの憲章に署名しませんでした。

古代から海とのつながりが深い海洋国日本であるはずなのに、
そのかけがえのない海の問題を率先して解決しようとしないとは残念な限りです。

けれども残念がっているだけでは前に進みません。

国や政府の批判はこの辺りまでとして、
ひとつ私の中にずっと残っている記憶というか、言葉があります。

それは小学生の時に授業の一環として訪れた自然学校で見つけたものです。

それは食堂だったか、居室だったか覚えていないのですが、部屋の正面に
「来たときよりも美しく」
と書かれた紙が貼られていたのです。

そして2泊3日の体験学習の最後はみんなで掃除を行い、
その時の気持ちがまさに「来たときよりも美しく」だったのです。

みなさんも子ども時代の自然学校体験でこの標語を見たという人も多いのではないでしょうか。

そしてこの標語を最近よく思い出させてくれるのが、
サッカーの国際試合終了後に日本代表チームのサポーター達が観客席のゴミ拾いをする風景です。

あれはまさに日本人にはこの「来たときよりも美しく」の精神が養われ、発揮されていると思うのです。

そこで私の提案です。

それはこの「来たときよりも美しく」の言葉の前に「生まれて」という言葉を加えませんかというものです。

すると「生まれて来た時よりも美しく」となります。

前々回からお伝えしていますが、私たちは誕生する際に真っ白なキャンバスを持って生まれてきます。

そして人生を通じてこのキャンバスに絵を描き続けるわけですが、
それと同時に私たちに様々な経験をさせてくれる舞台、すなわちこの地球を(生まれて来た時よりも)きれいにしませんか?

何も無茶苦茶きれいにしようと思わなくて大丈夫です。

もちろん中には地球をきれいにすることを目的として生まれてくる人もいることでしょうが、
自分がこの世界に生まれ、成長し、死んでいく中で、
魂(の成長)もそうですが、それをさせてくれた地球を+1、
自分が汚した分よりもプラス1だけきれいにしてあの世に戻って行きませんか?

そうすれば人生のアートも素晴らしいものになるだけでなく、
地球もより美しいものとなると思うのです。

日本では毎日約3,200人の人が亡くなるそうです。

年間約117万人が亡くなります。

もしみんながそうしたら日本は、地球はあっという間にきれいになると思うのです。

(ちなみに世界では1日に155,000人、1年間に5,500万人亡くなるそうです。)

日本人には「来たときよりも美しく」という精神が養われています。

そして最初に書きましたが日本人には困った時にはお互いさまの精神があります。

ここ百年数十年の人間活動によって大地も海も、そして空気も汚れてしまいました。

それが故に様々な異常気象が起っています。

そしてそれが原因で各地に災害が引き起こされています。

今まさに地球は困っているのです。

悲鳴を上げているのです。

そしてもうひとつ、今では失いつつありますが日本人には
「お天道様(が見ている)」
という考え方があります。

これは誰か人が見ていなくても、お天道様(つまりは天)は見ているのだから、
正しくあろう、美しくあろうという精神です。

今度はこの精神を復活させて「生まれて来た時よりも美しく」でもって、
+1魂も、そして様々な経験をさせてくれる地球も美しくして今世を終えよう、あの世に戻るという意識を持ちませんか。

そのような意識を持てば、あなたが描くアートも、そしてこの地球も素晴らしきものとなると思うのです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする