詐欺国家の向こうにある希望

若者も手を染める詐欺
先日ポストを開けると1枚のハガキが入っていました。見てみると「消費料金に関する訴訟最終告知のお知らせ」と書かれており、このままでは給与差し押さえ、不動産差し押さえとなり…とのこと。(下の写真です。)

きちんと読んでみると突っ込みどころ満載な内容なのですが、高齢者で認知機能の低下がみられる人などがついつい心配となって電話をかけてしまうのでしょう。


どのくらい前からこの手の詐欺が始まったのか覚えていませんが、それが注目されたのはオレオレ詐欺でした。それからあの手この手と手法が変わり、振り込め詐欺、架空請求詐欺、特殊詐欺とその呼び名も変わっています。一時は年間560億円以上の被害が発生したのですが、各機関が連携して被害防止に取り組みその額は減少傾向にあるといえ、それでも平成30年度の被害額は363.9億円に及んでいます。詐欺と気が付かないままでいる人、詐欺にあったことを黙っている人もいるでしょうから実際の被害総額はもっと多いことでしょう。

警察庁特殊詐欺認知検挙状況等(H30)より


あるテレビドラマで特殊詐欺の一人が警察に捕まり、取り調べを受ける中で「俺たちは(高齢者の下に)貯めこまれているお金を世の中に出し、経済を循環させてやっているのだ。」と詐欺を正当化することを言っていました。けれども被害にあった多くは認知の低下した人であったり、老後のためにコツコツ貯めてきたお金だったりと多くのか弱い立場の人を絶望に陥れています。何よりも人をだまして巻き上げているのです。


特殊詐欺は頻繁にニュース等で取り上げられていますが、詐欺はそれだけではありません。高利回りをうたった投資で被害総額は何十億円というのもしょっちゅう出てきますし、ここ数年インターネットの中では多くの人が詐欺まがいのことをしています。彼らはネット経由でこれだけ巨万の富を(いとも簡単に)手に入れた。その方法を教えるので、富を分かち合いましょうと人々の欲につけ込み、こちらもなけなしのお金を巻き上げています。中には詐欺まがいのことをしていても平気で顔までさらけ出している人もいます。(シンガポール等に移住し、逮捕されないように?している人もいるようです。)


しかしながらなぜこんなにも詐欺やそれまがいのものが次々と出てくるのでしょう?それも若者が詐欺、あるいはそれまがいと分かっていながら手を染めているのです。

そこには貧困、格差社会、もちろんそれもあることでしょう。いいもの食べたい、いい暮らしをしたいという欲もあるでしょう。それは芸能人やメディアがそのような生活を煽っていることも一因となっているでしょう。

けれども私が思うにその一番の原因はこの国自体が詐欺国家となり果てているがためではないかと思うのです。

国家的詐欺
現在私たちは年金制度が崩壊しかけている(崩壊してしまっている)ことを知っています。しかしながら国はそのことを認めることはありません。年金をつぎ込み株価を吊り上げ、運用の結果これだけ増えたといいながら、年金支給の年齢は上げていき、支給額は下げようとしています。また「生涯現役!」という言葉を合言葉として、死ぬまで働き続け、そのお金で生活をしていくように仕向けています。(大半の人が死ぬまでパート奴隷として使われ続けるのです。)

また国の借金状態からして国民の負担増もやむを得ないことと思わせ消費税をどんどん上げている一方で、法人税や高額所得者の所得税率を下げています。消費税を上げる分は全額(増大する)社会保障費に充てるといいながら、実際にはそうなってはいません。

自然災害によって多くの人々が床下浸水等の被害にあっても、その支援はごくわずかです。一方で多額の(必要のない・使えない)兵器を購入したり、諸外国に出かけては何十億、何百億円の援助をするという声明を出したりしています。何故でしょう?自分よりも強いものに貢いだり、あるいは援助額からのキックバックを目的としたりしているからではないでしょうか?

つまり政治家も役人も国民の暮らしよりも自分たちの利権のために動いているのです。国民のほうなど向いていないのです。(ここでは触れませんが大企業役人や大病院理事たちもそうであったりします。)

いわゆる上級国民と言われるような人たちがこのような状態なのですから、国中で詐欺が横行するのは当たり前のことではないでしょうか?

Image by Pete Linforth from Pixabay


それではこのように詐欺が横行する社会の中で私たちはどのように生活をしていけばよいのでしょうか?私たちも負けずに詐欺まがいのことをしろというのでしょうか?

思うに国民の大半は素直で正直であり、善良です。真面目に日々働き暮らしています。詐欺などに手を染めることは望んでいません。人を騙して贅沢するぐらいならば貧しい暮らしを選ぶという人がほとんどだと思います。では搾取される一方の私たちは何に希望をもって生きていけばよいのでしょうか?

Image by meguraw645 from Pixabay


即位の礼
10月に天皇陛下の即位の儀式が行われました。そこで陛下は上皇の意思を引き継いでいくことを述べられました。昭和から平成へと変わり上皇様は「象徴」としての天皇の在り方を30年間ずっと模索してこられました。それが「世界の平和を願う」こと、そして「国民に寄り添う」ことであったのでしょう。各国を訪問し平和を祈り、地震や豪雨で被災した各地を訪れ、膝をついて被災者の声に耳を傾ける上皇様の姿を何度も私たちは見ました。きっと天皇陛下はこれから上皇様同様に世界平和を願い、国民に寄り添う象徴としてその姿を見せてくださることでしょう。

さて天皇家は世界で一番長い歴史を持つ王朝となるのですが、そのルーツをたどれば大陸から来た人となるのでしょう。そのルーツを宣言されるようなことはないでしょうが、歴史をたどれば明らかといってもいいでしょう(実は上皇様はそのルーツを述べてました!)

日本の歴史を振り返ると縄文人こそ真なる日本人のようにも思います。しかしながら、沖縄や北海道にまだその血の濃い人々がいるかもしれませんが、現在の日本に純粋なる縄文人がいるとは思えません。弥生時代以降大陸から多くの人が渡ってきています。現在の日本人のほぼ全員に大陸の血が混じっていることでしょう。一説には15%が縄文の血であり、85%は大陸の血であるともいわれます。それが日本人なのです。その大陸からの血も朝鮮半島からだけではありません。中国もあればペルシャ(オリエント)の血も混じっていることでしょう。つまり血も文化も交じり合い、それを風土に合わせ独自のものとしてきたのが日本人なのです。つまりこの「和える」作業を得意とするのが日本人であり、それこそが「大和」なのです。


そうであるならば逆にそれを活かし隣国やアジアの国と争ったり、騙し合ったりするのではなく、仲良くすること、共生することも可能なはずです。我々は世界の平和を願う国民です。世界中の多くの人もそうであるはずです。そしてこれだけ世界中が瞬時につながる世の中となっているのですから、次は世界の中で人も文化も「和える」ことが可能ではないでしょうか。


世界一長い歴史を持つ天皇家にはきっと闇の部分もあることでしょう。(権力)争いの歴史、権力者に利用された歴史、隠された歴史等さ様々な「闇」を秘めていることでしょう。また天皇に使える宮内庁も省庁の一つであること、昔からのしきたり等によって、その中は想像以上に、他の省庁以上にがんじがらめのところも多々あることでしょう。そこにメディア監視や攻勢も加わってくるのですから自由などほとんどないのかもしれません。ゆえに民間人から天皇家に入られた雅子さまは苦しまれてきました。一時鬱状態にもなられました。適応障害とされたこともあります。

しかしながら現在の雅子様はそれらを乗り越え、笑顔を見せてくれるようになっています。国民の多くは雅子様が微笑まれる姿を見るとうれしく思います。それは雅子様がすでに日本人の象徴となっているからではないでしょうか。


未来への希望
天皇陛下は若き頃から「水」をテーマに研究をされています。「水」はすべてのものに生命を与え、すべてのものを包み込みます。この地球上において「水」こそが万物の母とも言えます。またある意味闇をも包み込むのが「水」と言えます。

万物の母に携わり、寄り添う心を持つ天皇陛下。そして多くの困難を乗り越えてこられた皇后さま。パレードの際の陛下と皇后のお二方の微笑は本当にやさしくあられました。きっとお二方は国民に寄り添うその象徴としてこの先おられることと思います。ここに日本人の希望はあると思うのです。

Image by rony michaud from Pixabay


詐欺師たちの心は暗い闇の中にあります。なぜなら人を騙すだけでなく、自分の心も騙しているからです。たとえ一時的に我が世の時代と驕り高ぶることがあったとしても、驕れる者久しからずです。いつかどこかで足元をすくわれ恐怖にさいなまれることとなり、やがては消えていくことになるでしょう。


正直国自体が詐欺となり果てたこの国は一度滅びるか、あるいはどん底に落ちるしかないかもしれません。しかしこれだけボーダレスとなった世界では国の概念などもういらないようにも思えます。地域人、地球人の概念を持てばよいのかもしれません。各国の支配層がいなくなり、一人ひとりが地域の中でその地域の暮らしを営みつつ、世界と緩やかにつながっていく。そのほうが世界平和の願いは叶いやすいようにも思います。

即位の礼の日、東京は土砂降りの雨でしたが、式典の最中にその雨は上がり虹がかかりました。パレードの際にはあたたかな陽が差していました。それはまるで天(水と火、大自然)が祝福しているようにも思えました。

世界の平和を願い国民に寄り添う心を持つ陛下の下で、私たちに何ができるかを考えて生きて行くことは、やがては私たちの頭上にも虹がかかることとなることでしょう。



らいふあーと21~僕らは地球のお世話係~

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする