お天道さまは遥か彼方に?

松山では毎年10月5日~7日に秋祭りが行われます。地域によって多少の違いはあるのでしょうが、5日と6日に提灯行列があり、7日に神輿が各地域を練り歩くようになります。

いつからこの3日間に行われているのか分からりませんが、松山の秋祭りは十七世紀の松山藩政時代ごろから行われているようです。(ウィキペディア

残念ながらここ数年は新型コロナウイルスのため中止となっていたのですが、今年は4年ぶりに開催されることとなり、久々にお神輿が見られるので楽しみにしていました。

我が家でも5日に玄関前に提灯をつるし、(今年は地域のとある役職をしていることもあり、)夕暮れ時に提灯行列の集合場所へと向かいました。

少子化、子どもの体力の低下などもあり、私が子どもの頃の提灯行列とはかなり変わってしまったところもあるのですが、それでも提灯行列は子どもたちに取っては1年の大きなイベントのひとつであることには違いありません。大勢の(???)子どもたちとその親たちが集まってきていました。

提灯行列の開始前に、秋まつり実行委員から集まった子ども達とサポートする大人の人たちに向けて歩く際の注意事項が述べられると共に、

(提灯の)光は道を照らすと共に、道を清め、神様をお迎えするものであるという、提灯行列の意味が話されていました。(←初めて知りました!)

時刻は18時30となり、男の子も女の子も(←私が子どもの頃は、提灯行列は男子のみ参加するものでした。)「ワッショイ」の掛け声とともに、地区ごとに列を成して歩き始めました。

さて、翌日の6日のこと、近隣を自転車に乗って走っていたのですが、そこで気づいたことがあります。

ちなみに私が子ども時代は、地域は田んぼだらけで、通学路の大半が農道だったのですが、年々宅地化され田んぼは減少し、今ではすっかり住宅街となり、家が立ち並んでいます。それも昔ながらのカタチをした家もあれば、四角い家もあり、更には家の色も様々となっています。

各家を見ると提灯がつるされていないのです。たまに提灯がつるされている家も見かけるのですが、20軒に1軒程度あるかどうか?ここ数年で建てられた家で提灯をつるしている家は皆無と言ってもいいぐらいです。

近頃は家の構造上提灯をつるせるようになっていないのかなと思い、ほかの家も気にしながら自転車を走らせると、結構昔からある家でも提灯を吊っていないところも多いのです。私が子供のころはどこの家にも提灯がつるされていたのに…。

あら~(アラーの神ではありません…。)

なんだか悲しくなると同時に、日本人ってこんなにも神さまやお天道さまに対する心を失ってしまったのかと考えざるを得なくなりました。

数年前から思い始めたことで、日本人のお天道さまへの敬意のひとつは家の屋根にあるのではないかということがあります。昔の家の屋根には様々な鬼瓦(鬼飾り)がありました。それは魔よけの意味合いはもちろんのこと、その家の勢いの象徴でもあったのだと思うのですが、いずれにしろお天道さまに対する祈りの世界があったと思うのです。

けれども時の流れと共に、鬼瓦は失われていき、今では屋根瓦そのものもなくなってしまいました。地震のことを考えると、屋根瓦は重量物となるのでしょうが、それに代わって今では太陽光パネルが屋根を覆うようになっています…。

提灯がつるされないことと同時に気づいたことで、かつては建売の家の購入ではなく、家を新築した際には、地鎮祭、棟上げ時の餅まきを行い、そして完成した年の秋祭りでお神輿に来てもらうのが習わしだったのですが、それも地鎮祭以外はなくなりつつあるようです…。

日本人の信仰心はどこへ行ったのでしょうか?日本人からどんどん神さまが離れていくようです。(日本人自らが神様から離れていっている???)

ちなみに我が家は築約70年の家となのですが、屋根はもちろんのこと、庭に土地の神さま、家の中には、床の間の神さま、茶の間の神さま、台所の神さま、そしてトイレの神さまと神さまをお祭りしているところはたくさんあります。まさに神さまに囲まれて暮らしています!

最近の家はどうなのでしょう?昔のように家一軒を建てるのに何か月もかかるようなこともなくなり、1、2ヶ月もあれば建てられるようになっています。外観のカタチや色はもちろんのこと、素材も家の中も自分好みでオーダーすることができます。果たして家の中に神棚の一つぐらいは残されているのでしょうか???

かつては天と家、そしてそこに住む人々の三位一体が理想とされていたものが、近年はなんだか住む人の快適性と(電気・熱の)効率性、そしてコスト(価格)の3つ(3K)が重視されるようになっているようです…。

私の感覚としては、21世紀とは再び天との繋がりを感じずには生きていられない時代だと思っているのですが…。そして、そのためになるべくエゴを引っ込め、日々天を感じ(意識し)、天と自然との共生を心掛ける必要があると思ってるのですが、まだまだ欲深き世界が続くのでしょうか?

神さまを追いやり自分たちの快適性を重視する日本人はこの先どうなるのでしょう???

そこに救いはないのでしょうか?

救いはありました。

このブログの4枚の写真は松山の神輿同士の鉢合わせ(ぶつけ合い)、別名けんか神輿と呼ばれるもの写真です。宮入り時の鉢合わせの見学に行ったのですが、私のそばにいた小学生低学年ぐらいの女の子は、「ケンカは良くない!神さまは望んでいない。神さまは平和を望んでいるの。」と何度も母親たちに向って訴えていました。

子どもたちこそが日本の救いなのかもしれません。

らいふあーと21~僕らは地球のお世話係~

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