真夜中にドアは開いた!

真夜中のドア

現在1970年代後半から80年代に日本で作られたCityPopというジャンルの楽曲が世界的にヒットしているそうです。その中でも特にヒットしているのが松原みきさんの「真夜中のドア~stay with me」という曲で、Spotifyグローバルバイラルチャートで15日連続世界1位を記録したそうです。でもほとんどの人が、「へ~そうなんだ。でも松原みきさんって誰?」と思いますよね。

松原みきさんは1959年(昭和34年)生まれの歌手であり、かつ作詞作曲家です。この「真夜中のドア」は自身の作詞作曲ではないようですが、1979年にこの曲でデビューし、以降1991年2月までにカップリング曲を含む17枚のシングル盤とベスト・アルバムを含む15枚のアルバムを発表しているそうです。残念ながら2004年44歳の時に子宮頸がんで亡くなられています。(ウィキペディアより)

この曲が世界的にヒットするきっかけはCityPopが世界的に注目されたことももちろんですが、インドネシアの歌手兼youtuberである Rainych(レイニッチ)さんという女性がカバーをしたことがきっかけだそうです。ちなみにRainychさんはこの曲を素晴らしい日本語で歌っているのですが、実は日本語は喋べれないという、絶対音感(?)でもって歌ってしまうという才能の持ち主なのです!

このRainychさんが歌う姿をみて、そしてこの曲が世界的にヒットしている背景をわたしなり考えていくと現代社会の闇へとつながり、更に深堀りするとやっぱり日本だ!論となったので、それを踏まえて今後の未来像を述べたいと思います。

ミックス時代

日本の産業形態が第2次産業のハードを中心としたものからソフトを中心とした第3次産業へと転換してはや30年以上が経過します。今や日本で売られている工業製品のほとんどが中国製もしくは東南アジア諸国製となっています。

第2次産業が先進国からこれらの国々、あるいはブリスク諸国に移ることにより、それらの国の産業インフラが整備され、人々の所得は向上しました。同時に生活インフラも整えられ彼らの生活水準も向上し、地域によっては先進国並み、もしくはそれ以上になっているところもあるようです。

一方第3次産業も成熟した日本において産業のソフト化はますます進み、今では子どもたちの将来なりたい職業NO1がYoutuberとなるなどYoutubeやSNSを活動の拠点とするアーティスト(ミュージシャン)も次々に誕生しています。

さて壮年期半ばとなった私にとって最近のメジャーな曲は、そのダンス系のノリといい、早口言葉かと思えるようなスピーディーな歌詞といい全くついていくことができません。最先端シーンからは完全に離脱してしまっているといってよいでしょう。そのため私もyoutube等を楽しんでいますが、そこで聴く曲は思春期から青春時代(70年後半~90年代)に聴いた洋楽・邦楽が中心です。

ところでYoutubeの楽しみ方の一つとして、曲を聴いたり映像を見たりするのはもちろんですが、コメント欄を見ることがあります。みんなの感想を読むのが楽しいのです。あの時代に生きた同世代もしくは年上世代のコメントの多くに共感し、仲間意識を感じるのです。同時に意外と現在10代、20代の若者たちのコメントがあるのを見て驚くとともに、彼(彼女)らがそれらの曲をとても新鮮に感じ、高く評価してくれるのを知るとうれしくなってしまいます。更にそれらの曲をRainychのようにアレンジしたり、あるいはオリジナルに忠実にカバーしてくれていたりするのを知ると余計にうれしくなってしまいます。(これがまた結構いい味出してるんですよね~。)

若者たちがそれらの曲を好きになったのは、親が聴いていたことがきっかけとなった人も多いようですが、AIがその人の視聴歴から好みそうなものを紹介してくれることもあるのでしょう。

もちろん若者たちの間ではダンスミュージックや早口ミュージックが最もポピュラーなのでしょうが、CityPopが流行っていることを知ったり、あるいは80年代90年代の音楽が好きな若者も大勢いることを知ったりすると、今や時代は新しいもの古いものいろいろなものがミックスしており、個々がお気に入りをセレクトして楽しむ時代に入っているのだと思わずにいられません。

Gordon JohnsonによるPixabayからの画像

メジャー時代の終わり

かつて私が若き頃はラジオやテレビの音楽番組、あるいは雑誌から新曲や人気曲を知り、ラジオ番組のリクエストや雑誌のコラム欄などから(少し)古い曲を知ったりしていたものです。そして気に入ったものがあればレコードやCDを買ったり、レンタルしたりして、それをテープに、MDに、あるいは(少し前までは)CDに録音し何度も聞き続けていました。

しかしながら現在はYoutube全盛となり、(ネットに繋がってさえいれば)いつでも、どこでも聴きたい曲を聴けるようになり、更には視聴歴に合わせて、気に入りそうな曲を紹介してくれたり、メロデーで流してくれたりするのですから実に便利なものです。そしてもし手に入れたいなら、指一本の操作でダウンロードして購入することができるのですから本当にお手軽です。

さて今思えば、かつてのヒット曲といい、流行はメディアによってつくられたものが大半です。中にはリクエストから火が付きヒットするものもあったでしょうが、大抵は大手プロモーション会社がいかにプッシュするかが大きかったのではないでしょうか。電通などの広告代理店と大手レコード会社、そしてプロダクションが手を組んでTVやラジオ、出版社や新聞などのメディア媒体にどれだけ露出されるかで決まっていたのではないでしょうか。受け手である私たちはそれらについつい乗せられ、それを選んで「よし!」としていたのではないでしょうか。特に日本人はみんなに合わせてよしとするところがあるので彼らにとっては乗せやすかったのではないでしょうか?(ただしかつてのアイドルの方が、現代のアイドル群よりも個人で表舞台に立っていただけに実力も存在感もあったと思います。)

音楽と少し離れますが今思えばハリウッド映画など一番分かりやすいのではないでしょうか?構想〇年、製作費〇〇〇億円などとの言葉と共に爆発シーン、スピード感あふれるシーンなど迫力ある映像が細切れに見せられ、そこにエモーショナルな音楽も加わり、そして「人類は生き残れるのか?」と興奮を掻き立てられるとついつい見に行ってしまいますよね。これらによって制作会社、広告代理店もメディア媒体も一緒に儲かるというひとつのパターンを作り出していたのではないでしょうか。(今思えば当時は確かに興奮して見に行こうと思ったけれど、今となっては…。)

ところがインターネットの普及、更にはスマートフォンの普及によって個々人の時代が急速に訪れ、彼らの儲かるパターンが崩れてきているのです。もちろん今でも広告代理店やメディアが流行を作りだすことも多々ありますが、そうではないものが増えてきます。計画的なものに代わっておもわぬところから共感が広がっていくものとなってきたのです。もちろんそれも組織的な場合もありますが、ひとりのインフルエンサーから、あるいは1人のつぶやきから広がるものとなってきているのです。

Free-PhotosによるPixabayからの画像

メジャーたちの恐怖

今新聞を読む若者は一体どれだけいるのでしょう。新聞の発行部数は年々減少しています。ネットやSNSの広がりとともにTVを見る若者も減っているでしょう。出版社は売上部数の減少により次々と廃刊となっています。それ故にそれらに広告を掲載するための元請けとなっていた広告代理店も窮地に陥っています。何故ならネットメディアに広告を入れるためには代理店を通すこともなく、ダイレクトにやり取りできるようになっているからです。そしてそのネットメディア媒体は現在のところ世界的に独占状態となっています。

すなわち時代の流れが組織から個人へと移り変わるにつれ、これまで国民をコントロールしてきた大組織群の地位が足元から崩れようとしているのです。大組織とはこれまで巨大な権力を持つとともに、特権階級に属していたとも言えます。それがこれまで50階の窓から眺めていた者たちの足元がガタガタと揺れるだけでなく、沈下し崩壊しようとしているのです。彼らにとってその恐怖はいかほどのものでしょう。これまで支配する側にいた者たちが支配されてきた者たちの下に落とされようとしているのです。特権の座を失おうとしているのです。これほど不安と恐怖を感じるものはないのではないでしょうか。(それ故に国民の多くがその開催は無理とか、中止した方がよいといっている東京オリンピック開催に今もこだわっているのではないでしょうか?)

このことは日本だけではありません。世界共通の出来事です。西欧諸国もそうですし、アジア諸国もそうです。ただし東南アジア諸国の場合世界的な影響力を持つ組織は少ないですし、中国は今も中央によって厳しく情報統制し続けています。では世界中にその影響力を及ぼしていたアメリカ合衆国はどうでしょう。日本が50階とするならば彼らはそれよりもずっと高い90階から見下ろしていたといってもいいでしょう。そこが揺れると同時に失われようとしているのです。その恐怖は日本のそれとは比べものにならないでしょう。(なんたっていろいろな悪さもしているでしょうから…。)であるならそれを食い止めるためならいかなる手段も厭わないのではないでしょうか。そのために行ったことのひとつがアメリカ合衆国大統領選挙で現れたのではないでしょうか?

Free-PhotosによるPixabayからの画像

世界標準化とそのベース

話しを一度元に戻しましょう。CityPop人気を知ったり、あるいはインドネシアのRainychさんのYoutubeを見ていると時代がミックスしていると思うと同時に、本当に世界(の生活水準)は標準化してきたのだなと思わずにはいられません。

私は20年以上前に頃東南アジアをバックパッカーとして旅してきましたが、当時各国の首都など中心部に高いビルはできつつもありましたが、まだまだ喧騒とした感であふれており、首都を少し離れればのどかな村の風景が広がっていました。ヤシの木が立ち並びゆっくりした時間が流れていたものです。

それがRainychさんのYoutubeを見るとそこに風景は出てきませんが、日本と全く変わりないなと思わずにいられません。都市によっては日本以上のところもあることでしょう。工業化と都市化と共にそのインフラベースとしてネット環境も整えられているのです。そのネット環境で使われているのはyoutubeでありグーグルであり、アップルやマイクロソフトでありと、いわゆるビッグテックと言われるものです。今や世界人口76億人のうち40億人がインターネットを利用していると言われます。インターネット世界は世界共通でありある意味誰もが同じインターネットという見えない大陸にいるとも言えます。そして世界中の人々がこれらを利用して生活をしたり仕事をしたりしているのです。その数は今後ますます増えていくことでしょう。となるとビッグテックはますますウハウハということになります。

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

世界制覇!

世界の歴史を振り返れば、アレキサンダーはギリシア北方の大国マケドニアに生まれ、次々と近隣王朝を破りその領土を広げていきました。モンゴル帝国のチンギスハンそして元王朝のフビライハンはユーラシア大陸に大帝国を築きました。イギリス帝国は世界各地に植民地を作り7つの海を制したと誇りました。そしてアメリカ合衆国は世界の警察であるとその影響力を誇示しました。

人類史を見れば権力者とはあくなき征服欲にあふれているとも言えます。現在世界を領土拡張という形でもって征服することは無理でしょう。しかしながら世界中がインターネットでつながっている中で、それをベースとした産業でこの見えない大陸を制覇することは可能かもしれません。それを虎視眈々と狙っているのがビッグ・テックではないでしょうか?

そしてもう一つ世界を制しようともくろんでいるのが中国ではないでしょうか。今や世界の工場と呼ばれ、先端分野においても先を急いでいるようです。IT分野においても(米国が待ったを掛けましたが)世界を牛耳ろうとしていました。GDPベースにおいて既に日本を抜き去り世界超大国のひとつとなり、世界NO1の座をアメリカ合衆国から奪うのも時間の問題であろうことは誰もが知るところです。

世界中が中国製品を購入しているのです。すなわち世界中から中国にお金が流れているのです。ある意味お金がありあまっているともいえるでしょう。そのお金を手に日本にも中国人が押しよせてきて爆買いしたことはよく知られたことですし、北海道をはじめ土地(水源地)を買いあさったりしているのです。

買うものはモノや土地だけとは限りません。現代社会はある意味世界中がお金に狂っているのですから、人さえもお金で買うことも(ある意味)可能でしょう。中国は有り余るお金で、日本のみならず、世界中を、そしてライバルであるアメリカ合衆国を買いあさっているのではないでしょうか?

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

思惑の一致

先にも書きましたが、かつてのメディア関連産業、広告関連産業はその地盤沈下が止まりません。彼らはこれまでのいた特権の座を失いつつある状況にいら立つとともに不安を感じずにはいられません。もしかすると藁をもつかむ心境かもしれません。そこに(中国が)甘い言葉とお金をちらつかせたとしたならば…。

一方ビッグテックは中国の勢いを知っています。凋落していく合衆国と10億の国民と勢いある国のどちらを魅力と考えるでしょう。そして彼らは中央集権体制、一極体制を構築し国民を統制コントロールしていることが何を意味するかを知っています。その方法はネットベースの見えない大陸を制覇し、自分たちの地位を強固なものにするには好都合かもしれません。

そして前回の大統領選で民主党は思いがけず敗北を期しました。現在の大統領選挙には巨額のマネーが動きます。彼らはそのポジション奪回のためには手段を選ばないでしょう。4年間かけて彼らは何をしたのでしょうか?もし彼ららがそのポジションを取り戻す為に旧メディアと新興勢力のそれぞれの思いをそのために利用したならば、そして中国の思惑を結び付けたなら…。

Capri23autoによるPixabayからの画像

日本チャチャチャ

ついつい妄想が行き過ぎてしまいました。今回の話はCityPopとRainychさんでした。(アニメを見ないのでよく分からないのですが)Rainychさんが主に歌う曲は日本のアニメソングのようです。彼女は日本のアニメファンなのだと思います。コメント欄で見たのですが、学生時代には(インドネシアの)カラオケ屋さんによく行っていたようです。アニメが好きなのは何もRainychさんだけではありません。世界中で日本のアニメは大人気なようです。

CityPopといい、アニメといい、そしてカラオケといい、日本のソフト産業です。それらが世界で流行っているのです。日本の政治は世界の嘲笑の種ですが、日本のソフト産業は世界に誇れるものとなっています。工業製品の大部分は海外生産となりましたがそれでも第2次産業の先端分野においては日本の技術はまだまだ健在です。日本の技術がなければ作れないものもたくさんあります。また果樹などの日本の一次産業品も(私には疑問もありますが、)世界のお金持ちが買いあさっているそうです。そういえば日本食も美味しく、しかも健康的でもあると世界的人気となっています。

これらを使えば日本は世界を平和にハッピーにすることができるのではないでしょうか?武力や権力で、そしてお金でもって世界を統制しようとすることに人類の多くはうんざりしています。この数十年でどれだけ私たちは民主主義を守るためとか、正義のためにと嘘や偽りに翻弄され、悲劇を見せつけられ、胸の痛い思いをしてきたことでしょう。そんなものはもうごめんです。これからは地球にやさしいことを合言葉に世界の人々を繋いでいきたいものです。

日本の得意技は他国では成せれなかったものを完成させたり、あるいはよりよいものへ変えていくこと。それらは技術や知恵を和えて出来上がるものです。世界をつなぐためには和えることが必要です。そのために日本のソフト産業は不可欠なものかもしれません。

時は移り、地の時代から風の時代となりましたが、まだ真夜中の状況のようにも思えます。いえ、もしかすると夜明け前が一番暗いともいわれているように、今が夜明け寸前なのかもしれません。真夜中のドアは開かれました。そこに気づいけば目の前には新しい世界が広がります。さあ未来づくりを始めましょう!

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らいふあーと21~僕らは地球のお世話係~

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