アートはライフアートへ!~開墾から学ぶ③~

このところ開墾作業について書いていますがその第3弾です。
耕運機などの機械に頼らず腕一本鍬一本の手作業で大地を掘り起こすことにより得た最大の収穫は、耕作放棄地が少しずつ畑へと変わっていくその変化を、身をもって実感できたということです。

前回約4か月半かけて東の端から西の端まで開墾したことを書きましたが、この先もうひと手間かけて畑を車いすの人や視覚障がい者が訪れることのできるインクルーシブ農園としたいと考えています。(その先にフリースクール構想があります。)

さて、第1弾(新時代の開墾)でも少し触れましたが、この耕作放棄地が畑へと変わっていくその変化をアートのように感じました。またこの先季節に応じた野菜の苗を植えること、種を蒔き、芽が出て花が咲き、野菜が出来ることの変化、それらを通じて畑の四季の変化もアートのように思えます。

ところでアートというと、絵を描いたり、造形を創ったり、あるいは演じたりするような特別な才能を持った人たちが生み出し、携わるものと思われがちです。けれども本当はアートってもっと身近なものであるように思うのです。

例えば縄文時代の土器や土偶を見ていると、それは明らかに祈りの世界のものであったと思えますし、日常と密接に関係していたと思えます。また能や舞も神様への捧げものであり、それはそれぞれの地域の人々が演じていたものであり、歌や踊りは家族や村の人々のものであり、それらは人々の暮らしの中にあったものです。

しかし貨幣経済の導入、時代の移り変わりと共にそれらは人々の暮らしの中から引き剝がされ、アートは特別な才能のある人々により独占されるようになっていきます。そして今ではイベントごととして、人々の興奮を呼び起こすもの、あるいはストレス発散のひとつとして人々の暮らしに付属するものになってしまいました。

(PexelsによるPixabayからの画像)

もちろんカラオケ、Youtubeなどで音楽は身近になったように思えます。PCの発達によって誰もがチラシを作れるようになりました。ならばより多くの人たちがアートを身近に感じたり、アートを作っていると感じたりしてもよいはずですが、一部を除いてそうなってはいません。おそらくそれらはアートというよりも、デザインであり、必要に迫られ、時代に押し当てられたモノであるからではないでしょうか。アートは人々から遠ざかる一方なのです。

それゆえ今ではこのことに危機感を持ち始めた地域で活動する様々なアーティストたちが、人々をもう一度アートとつなげようと模索し始めています。

けれども時代は元には戻りません。子どものころにみんなが参加した盆踊り。いつしか無くなってしまいました。地域によってはもう一度復活させようとする試みもなされていますが、どうなることでしょう?

豊作を祈り神にささげた秋祭り。今では稲作をする農家もめっきり少なくなり、人々は会社勤めに忙しく、お祭りよりも会社の規則を優先しがちです。

そのような状況の中でアートも新たなカタチが必要とされているのではないでしょうか?

先ほどアートとは、特別な才能を持った人たちが生み出し、携わるものと思われがちと書きましたが、アートとは突き詰めれば、自分自身を表現すること、あるいは四季の変化、一粒の種からの変化など=それ自身の表現(変化)といえると思います。

Mike FosterによるPixabayからの画像)

そこで私は自分の想いをカタチにしていくことを、21世紀のアート、ライフアートと呼ぶことにしたいと思います。絵を描くことは、目の前の造形物を白いキャンパスにカタチとして作ることです。その絵には自分自身の表現が込められています。演劇もセリフや演技を通じていつしか自分自身のカタチを表現していくものとなります。それはもちろんここ現代のアートだけではありません。

自分自身の夢を叶えることも「想いをカタチとする」ことであり、その過程そのものがライフアートです。それ故より多くの人がこの「自分自身の想いをカタチにすること=ライフアート」に携わるようになって欲しいと思うのです。

PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像)

21世紀は1人ひとりが天とつながる時代ともいわれます。それはそれぞれの人は役割や目的をもって生まれてきており、それを果たすことが人生であるということも意味します。それ故自分自身を生きること、自分自身を変化させること、開墾することもライフアートです。そして、何よりも自分自身を表現することは最終的に天とつながるものです。

これからの時代、企業などで働くカタチであれ、自分で働くカタチであれ、あるいは仲間たちとなにかをするカタチであれ、自分の想いをカタチにしていくこと、ライフアートする意識を持って生きていきませんか。

Kathrin PienaarによるPixabayからの画像)



らいふあーと21~僕らは地球のお世話係~

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